やつなみ  教会長   
  

 昨年10月、懐かしい人から『来年(令和7年)の3月をもって、金光八尾で永年にわたり音楽教育に尽力くださった先生が退職されることになりました。つきましては、先生にご縁の深い先生方、吹奏楽部員が一堂に会して、イベントをします。ぜひ先生にもご参加いただきたいです』というLINEが来ました。私も二男も金光八尾在籍中に大変お世話になった先生でした。文化祭の時には教員有志でバンドや合唱を企画し、生徒たちを驚かすこともありました。そのプロデュースもして下さった先生です。

集まった方々は、現職・元職の教員多数に加え、吹奏楽部員OBOGたち合わせて80名あまり。懐かしいメンバーで合唱したり、吹奏楽部員卒業生たちの演奏があったりと、楽しい時間はあっという間でした。たくさんの先生方、また卒業生たちとも再会でき、久しぶりに金光八尾の空気をたっぷり吸うことができました。ひとりの先生のために、ここまで多くの方々が参集する送別会は、生まれて初めての体験でした。それは、形ではなく、心のこもった、本当にあたたかい気持ちにあふれた会でした。

「金光」の名がつく学校ですが、そこに集まった人々の中で、金光教の信奉者はほんの数人。でも、集まった人たちは全員、学校にいた(いる)とき、感謝祭で神徳賛詞を奉唱し、天地金乃神様に拝礼した経験がある方ばかりです。

ずいぶん昔のある日、先述の音楽の先生に「近藤先生、校章の『八尾』の周りにあるものは、どういう意味ですか」と尋ねられました。私は「金光教の八つ波【やつなみ】(校歌の歌詞にもあります)のご紋は、教えが四方八方に広がるようにとの願いが込められています。それにちなんで…」と、説明させていただきました。すると「定期演奏会のタイトル、「やつなみコンサート」にしましょう」と、提案され、以降、毎年「やつなみコンサート」の名前で演奏会が開催されるようになりました。

私たち一人ひとりが、「やつなみ」の中心にいる「金光」そのもので、その教えの実践が四方八方に広げることができる存在でありたいものですね。

 

  

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